【第3期機関別認証評価】第2期と第3期の「大学評価結果」の変化について
前回の予告では実地調査当日のスケジュールについて説明することとしておりましたが、実地調査よりも前に「大学評価結果(分科会案)」についてお話ししたいと思います。前回までの記事は以下からご覧いただけます。
「大学評価結果」とは?
第2期機関別認証評価では、以下のプロセスで「大学評価結果」が出てきました。
- 実地調査5週間前に「大学評価分科会報告書(案)」を大学が受領
- 実地調査10日間前に「大学評価分科会報告書(案)」にの質問事項に対する回答及び見解、関連する根拠資料等を添付し、大学基準協会に送付
- 実地調査を2日間実施
- 12月下旬ごろに、実地調査結果を踏まえて修正された「大学評価分科会報告書」「大学評価結果(委員会案)」を大学が受領
- 「大学評価結果(委員会案)」の記載内容で事実誤認があれば、意見申し立てを大学が行い、大学基準協会で協議を行う
- その協議結果を踏まえて修正されたものが「大学評価結果」として大学に送付され、社会に公表される
しかし、第3期機関別認証評価では「大学評価分科会報告書」が廃止され、実地調査5週間前より「大学評価結果」を使用する以下のプロセスに変更されました。
- 実地調査5週間前に「大学評価結果(分科会案)」を大学が受領
- 実地調査10日間前に「大学評価結果(分科会案)」にの質問事項に対する回答及び見解、関連する根拠資料等を添付し、大学基準協会に送付
- 実地調査を2日間実施
- 12月下旬ごろに、実地調査結果を踏まえて修正された「大学評価結果(委員会案)」を大学が受領
- 「大学評価結果(委員会案)」の記載内容で事実誤認があれば、意見申し立てを大学が行い、大学基準協会で協議を行う
- その協議結果を踏まえて修正されたものが「大学評価結果」として大学に送付され、社会に公表される
つまり、第2期と異なり第3期は実地調査5週間前から「大学評価結果(分科会案)」として大学側に提示され、実地調査や意見申し立てを経て修正がなされた「大学評価結果」が社会に公表されることになります。これは小さいようで大きな変化と言えます。なぜかというと第2期では「大学評価分科会報告書」をベースに作成された「大学評価結果(委員会案)」が12月下旬に初めて提示され、1月中旬には「意見申し立て」を行わないとダメでした。つまり、1カ月も期間がなかった訳です。
しかし、第3期では、実地調査5週間前から「大学評価結果(分科会案)」として、「大学評価結果」が提示されている訳ですから、12月下旬の「大学評価結果(委員会案)」では実地調査を経てどのように変化し、事実誤認がないかを確認する、ということであれば、少しは大学側の作業負担が軽減されていると言えるでしょう。
加えて、今までは「大学評価結果」を踏まえて評価者と大学側が直接的に意見交換ができなかった訳ですから、その点でも良い意味での大きな変化と言えます。
「大学評価結果」の構成
第3期の大学評価結果の様式は【様式10】「大学評価結果(分科会原案)」と【様式11】「大学評価結果」の2種類が公表されています。様式そのものは、以下の大学基準協会のHPからご覧いただけます。
- 【様式10】大学評価結果(分科会原案)
- 【様式11】大学評価結果
前者の「大学評価結果(分科会原案)」は実地調査5週間前に送付されるもの、後者の「大学評価結果」は社会に公表される際の様式です。
様式の構成そのものに大きな違いはありませんが、前者では、冒頭の「判定」、「総評」が記述されないことになっています。一方、後者では、実地調査や意見申し立てを踏まえて「判定」も「総評」が作成され公表されることになります。
また、後者では各基準の「評定」は付されていませんが、前者では「評定」は付されています。しかし、この様式だと最終の「大学評価結果」では実地調査を経て「評定」はどのように変化したのかがわからないことになりますので、その点は何かしらで通知されるものだと思います(「評定保留」とされていた評価結果がどのように変化したかわからないまま終わるのはさすがにないと思いますし…)。
まとめ
今回は第2期と第3期の「大学評価結果」の違いについて説明してきました。今回のポイントは以下の内容になるでしょうか。
- 「大学評価結果」が早い段階で大学側が見られるようになった。
- 「意見申し立て」の期間に今までより慌てなくてもよくなった。
- 「大学評価結果」に対して実地調査時に意見交換できるようになった。
予告しておりました実地調査当日に関するお話は10月中旬ごろにまとめていきたいと思います。それまでは今回のような第3期機関別認証評価での制度的変更点や実務面の話、内部質保証に関してお話できればと考えております。