山咲博昭の活動記録 -大学職員の学習ポートフォリオ-

27歳の誕生日を機に日々の学習記録をブログを始めました。大学院や勉強会等での学びによる気づきを記録していきます。 また、たまに勉強会・交流会とのイベントの案内も行っていきます。 twitter:@hysaki

学校教育法改正(認証評価の厳格化)は規制強化の一歩か?

2019(平成31)年2月12日の閣議決定に関する報道では、国立大学法人の統合が可能になったことが主要な話題として取り上げられていましたが、控えめに「大学への認証評価を厳格化する学校教育法改正案、大学改革支援・学位授与機構改正案も閣議決定した」と記載があります。

 

この件については他の大学職員ブロガーの方も言及されています。

kakichirashi.hatenadiary.jp

www.daigaku23.com

 

具体的な内容は文部科学省のHPにて公表されています。この中で認証評価に関しては以下の通り言及されています(「概要」より抜粋)。

1.学校教育法の一部改正
① 大学等の教育研究等の状況を評価する認証評価において、当該教育研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの認定を義務付け【第109条第5項】
② 適合している旨の認定を受けられなかった大学等に対して、文部科学大臣が報告又は資料の提出を要求【第109条第7項】 等

今回は、「適合」「不適合」の認定の義務付け、「不適合」の大学に対する報告又は資料の提出の要求(つまり、各認証評価機関における「改善報告書」の義務化?)が法令化されました。改正箇所は主に「不適合」に関する事項ではありますが、もし、規制強化という観点で次に進むということであれば「適合」している大学に対する規制強化が行われるのではないかと思うところではあります。

特に、「適合」大学に対する指摘事項(大学基準協会であれば第3期認証評価における「改善課題」「是正勧告」)に対する改善を行うことは認証評価機関で義務化されていますが、法令上の罰則があるわけではありません。そのため、更なる規制強化が行われる恐れもあります。

しかし、その場合は、認証評価機関が指摘を行うことに対するハードルが上がることも考えられます。指摘に対する説明責任が果たせなければ、それぞれの認証評価機関は指摘を簡単に行えなくなることが認証評価機関の独自性をなくす弊害の一つになるかと思います。

この点に関しては、あくまで個人的な見解および将来予測ですので、必ずしもそうなるとは思いませんが、更なる規制強化が行われるのであればそういった政策展開も考えられるのではないか、と今回の報道を通じて感じたところです。

今回の法令改正に対する見解は人によって分かれると思いますので、ぜひ他のブロガーの方々や周りの大学職員の方々にご意見をお伺いされてはいかがでしょうか。