【第3機関別認証評価】大学基準協会主催 大学評価実務説明会から見る第3期機関別認証評価について①
とうとう2018年度から第3期機関別評価が開始します。2017年度は第3期機関別認証評価の初年度に受審する大学にとって、自己点検・評価報告書を作成する年になります。
それに先立って各認証評価機関では第3期の評価基準や、手続き等の説明会を開始しました。我が国の機関別認証評価を行う機関は3つあります。機関ごとに受審する大学の傾向があり、それぞれの機関ごとにも特色があります。
認証評価機関名 |
受審大学の傾向 |
大学改革支援・学位授与機構 |
国立・公立大学中心 |
日本私立大学連盟の加盟校が中心 |
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日本私立大学協会の加盟校が中心 |
表の傾向はあくまで傾向であり、各認証評価機関では、国立・公立・私立大学の別を問わず、受入れられるような評価基準を策定しています。今日はその中でも、先日に参加した大学基準協会が2018年度受審大学に向けに行った大学評価実務説明会のことについて触れていきたいと思います。
第3期機関別認証評価の大きな特徴としては以下のことが上げられます。
① 内部質保証システムの有効性に着目する評価の実施
このシステムの機能の実質化を図るために「大学全体の内部質保証に責任を負う組織(以下、「全学内部質保証推進組織」)を整備することを推奨しました。
② 全学的観点からの「自己点検・評価報告書」の作成
第2期では、各部局レベルまで評価が行われることもあり、学部・研究科ごとの詳細な記述が自己点検・評価報告書が求められていました。しかし、第3期からは、全学的な観点から点検・評価を行った報告書作成が求められることになります。
ここでは、①の「全学内部質保証推進組織」が中心となり、各部局の自己点検・評価報告書の記述を基に全学的な観点からこの組織が点検・評価を行い、その結果として「自己点検・評価報告書」を作成することを示しています。
つまり、①学部・研究科等の自己点検・評価報告書の作成、②全学的観点からの自己点検・評価報告書の作成、といった2段階の報告書作成が求められるということになります。
③ 「大学として将来を見据えた中・長期の計画その他の諸施策の設定」について
評価基準の基準1 理念・目的の点検・評価項目で求められています。これは大学基準協会が第3期の特徴として上げているわけではないのですが、個人的には隠れた第3期の特徴であると考えています。
ここでは、自己点検・評価活動と中長期計画の連動を図り、より「全学内部質保証推進組織」によるマネジメント力を強化し、「改善」のみならず「計画」にもきちんとつなげていこうとする狙いがあると考えます。これは、PDCAサイクルの実質化を図るには極めて当然ことではありますが、認証評価において将来の計画設定を求めるのは、いわゆる事後チェックの範囲を超えたものであるとも考えられますので、ここで特色があり、計画の実質化が図れている取組があれば、長所として取り上げられる可能性があるのではないでしょうか。
さて、私論も含めて大学基準協会による第3期機関別認証評価の特徴について触れてきましたが、他にどのような変更があったのかを、引き続きこのブログで更新していきたいと思います。