山咲博昭の活動記録 -大学職員の学習ポートフォリオ-

27歳の誕生日を機に日々の学習記録をブログを始めました。大学院や勉強会等での学びによる気づきを記録していきます。 また、たまに勉強会・交流会とのイベントの案内も行っていきます。 twitter:@hysaki

【2017.2.9】関西大学・大阪府立大学AP合同フォーラム④

前回に引き続きまして、第四弾になりますが、大阪大学の事例報告についてご紹介していきたいと思います。

 

大阪大学は、教学IRを担当する経営企画オフィス及び高等教育・入試開発センターの二つに分かれており、その中でも経営企画オフィスは教学IRのみならず、大学経営を支援する取組を行なっていることが特徴の一つとして挙げられます。

さらに、学位プログラムの質保証については、学部、学科、専攻などの各教員組織の中で、質を担保する観点で責任を持てる単位の教員組織を質保証の責任主体としていることも、特徴ではないでしょうか。組織ごとに質保証を行う責任主体が変わることにはなりますが、質が担保できるのであれば合理的であり、かつ、質保証を行うことについて構成員の当事者意識が向上することも効果として考えられます。

また、SERU(学生経験調査)という大学間共通の調査を実施していることも特徴として挙げられます。研究大学が加入できるアメリカのコンソーシアム組織が実施している調査で、世界ランキング等で競合する大学の状況が比較できることがこの調査の特色として説明がありました。

最後に学生調査のフィードバックをネット上の一つの入口にしたことが特徴として挙げられます。様々な調査が学内で行われていますが、各調査や調査を行った組織ごとに結果がまとめられるため、なかなか調査結果をフィードバックする入口を一つにすることは難しいように感じます。しかし、大阪大学では、入口を一本化し、それに加え、ウェブ上でのデータ抽出(学部ごとに抽出、ソートの実施など)を可能にしています。

 

こういった特徴がある中で、大阪大学においても、以下の2つ課題を抱えています。

 

①学生調査の回答率が低いこと

②システムなどの技術は先行して発展していっているが、どのようならデータを扱うかなどのガイドラインの標準化が遅れていること

 

①については、どの大学も頭を悩ませるポイントではあります。この課題に対する説明の中でアメリカでは回答した御礼として、所属大学のフットボールクラブのチケットを渡す(個人での入手が困難なため、価値が高いようです)などの工夫を行っていると事例を挙げておられましたが、この悩みは各国共通の悩みであることがこの説明から伺うことができます。

②については、私の知識不足かもしれませんが、あまり聞かない話であると感じました。しかし、それぞれのツールが発達する中で、データ活用に関する一定のガイドラインが設けられなければ、意図しないデータの流出などのリスクが高まる恐れがあるため、これからIRによるデータ活用が盛んになればなるほど、問題になってくるポイントであると考えられます。

 

長文乱文ですみません。また個人的な見解が入っておりますので若干の解釈誤りが生じているかもしれませんが、その点はご了承いただければ幸いです。

これで事例報告シリーズ(全3校)は終了です。次回はこのフォーラムの最後を締めくくったパネルディスカッションの内容をまとめて、このフォーラムのまとめ記事シリーズを終了したいと思います。